【12/6(土)更新】抽象化と概念化、この言葉の意味を知ったかぶりしていませんか?簡単に言うと、抽象化とは、”複数の事例から共通点を抜き出す作業”を指し、概念化とは、”その共通点を一つの言葉でくくる”ことを意味します。
そこで、今回は以下のような方に向けて記事を発信しています。
- 概念化って、つまりなに?
- 概念化ってどうやればいいの?
- 概念化は、なぜ重要なの?
この記事を読み終わった後の、理想の状態
まず、読者がこの記事を読み終わった後、どのような状態になっていて欲しいかというと、”抽象化と概念化が実践できる状態”になってることです。
ですので、抽象化と概念化の具体的なプロセスをこの記事では述べています。
抽象化とは
それでは、説明に入っていきますが、まずこの”抽象化”を片付けておこうと思います。
冒頭にも述べましたが、抽象化とは、 ”複数の具体例から共通点を抜き出すこと”です。
”グルーピング”とか”パターン分け”という表現が同じ意味だと解釈してください。
そして、この抽象化を語る時に切り離せないのが、”概念”という言葉ですが、この”概念”という言葉を用いて、抽象化を表現すると、抽象化とは、”概念”と”複数の具体例” の中継点だと言えます。
例えるなら、部長と社員をつなぐ、中間管理職みたいなものでしょうか。
抽象的思考ができる人は応用力がある
ここで、抽象的思考ができることでどんなメリットがあるかを考えよう。
例えば、あなたが、りんごを買ってきてくれとAさんから頼まれたとする。
抽象化思考のできる人は、そこで、なぜかを考える。
そのため、依頼者Aにその理由を聞くかもしれない。
すると、依頼者Aは「ジャムやジュースを作りたいので、安くて甘いりんごはうってつけである」と答えるかもれしれない。
であれば、安くて甘くてジャムやジュースを作れるだけの量を確保できるものであれば良いと考える。
だとすれば、いちごや、ブルーベリーなどある程度あたりをつけて価格や量を調べた上で、代替案を提示することができるので、いわゆる機転が利く人間だと言えよう。
抽象的思考ができない人はポンコツ扱いされる
逆に、抽象的思考ができない人間は、りんごを買ってきてと言われても、りんごが売っていなければ、手ぶらで帰ってくることになる。
なぜなら、なぜりんごが必要なのか?に思考が働かないからだ。つまり、晴れてポンコツのレッテルを貼られることとなる。
概念と抽象化の関係
一方、「概念」とはなんでしょうか?概念とは、「複数の共通点を1つにまとめた言葉」だと言えます。
例えば、”国”とか、”家電”、”本”などが”概念”に当たります。
なぜなら、”国”という概念は、日本、アメリカ、ドイツなどから共通のルールを抜き出し、概念化された言葉だからです。
この概念を作るためには、「ルール」が必要だと述べましたが、このルールを導き出す作業こそ「抽象化」なのです。
概念化の目的
ここまでで、概念化と抽象化について大まかなイメージはできたと思うのですが、なぜこの作業をするかということを確認しておきます。
目的は人によって異なると思いますが、例えば、あなた自身のパフォーマンスを向上させるためだったり、他者にわかりやすく自分の考えを伝えるためなどがあります。
しかし、そのためには、まず、あなた自身が理解するためであるという点をを念頭おかなければならないのです。
なぜなら、自分が理解してないことを実践できるはずもなく、ましてや人に伝えることなどできないからです。
というわけで、ここから先はその具体的なプロセスを辿りたいと思います。
抽象化と概念化の構造
まず下記の項目別の例に目を通してもらい、その上で概念化のゴールを確認しておきます。
【概念】⇨”国”
【具体事例】⇨”日本、ドイツ、アメリカ”
【共通点】⇨”言語がある”、”人がいる”、”国境がある”、”法律がある”
なんとなくのイメージを作られたところで説明を加えると、日本、ドイツ、アメリカには、上記の共通する要素があり、それらの要素を有する場所を”国”と呼ぼうということです。
ここで注意すべき点が1つ。
”概念化をする目的”です。
その根幹は、物事に対する理解を深めることでした。
この場合、”物事”とは何でしょうか?答えは、”国”です。
もし唐突に、”国って何ですか?”と質問をされて答えられるでしょうか。
おそらく無理だと思います。なぜなら、国という概念を理解できてないからです。
では、”国”を理解するために何ができるのか?
・・・・・と考えた時に、概念化が役に立つわけです。
概念を理解するまでのプロセス
それでは、概念化を理解するためにもう少し深掘りしたいと思います。
あなたが新しいことを学ぼうとしているのであれば、その学習の際にも活かすことができるはずです。
事例を集める
これが、一番最初にすべき作業です。”国”の正体を掴むためには、国の”下位分類”に目を向けます。
日本、アメリカ、ドイツというのは、”国”という概念の”具体例”であり、こ以上具体化できない固有名詞です。
情報収集と言い換えることもできます。
抽象化
続いては、抽象化の出番です。
前のステップで具体例を集めました。
これらを比較し、共通する要素を抜き出します。
それが、”法律がある”、”人が生活してる”、”国境がある”などです。
概念化
”国”という概念ありきで考えていたため、抽象化した要素と結びつけることがここでは着地点です。
あるいは、抜き出した要素に共通する概念がない時、あなたは新たな概念を生み出すパイオニアかもしれません。
総称をつけましょう。
それが概念です。
まとめると・・・・
①【具体事例】日本、ドイツ、アメリカ
↓
②【共通点】言語がある、人がいる、国境がある、法律がある
↓
③【概念】国
以上が、概念化のプロセスです。
概念化したその先
ここまでが、物事を理解・学習するための”抽象化”の使い方についてでした。
ここで一度、”抽象化をする目的”に話を戻します。
- 自身のパフォーマンスを向上させるため
- 他者に自分の考えをわかりやすく伝えるため
目的はこの2つでした。
どういうことでしょうか。
パフォーマンスを向上させる
これは、”結果を出すまでの意思決定を限りなく早くする”という意味です。
例えば、営業や就職面接などでがこれに当てはまります。
どんなことにせよ、活動を続けてると、顧客や面接官から反応が得られます。
時には、表現が違った質問でも抽象化してみると、同じグループで括れたりするものです。
”この反応の時は、こうやって返そう”と対策を練ることができます。
それが、つまり、”パフォーマンスを向上させる”といった意味です。
他者にわかりやすく伝えるため
”国”の例を使って説明します。
先ほど同様、”国とはなんですか?”という質問をされたとしたら、どのように答えるでしょうか?
概念を理解する作業というのは、思考を整理することであり、言い換えれば、”体系化”するということです。
トーナメント表のような”階層”をイメージするとわかりやすいかもしれません。
国という概念が頂上にあり、その下に、ルール、国境、人など共通要素が並び、さらにその下に、ドイツ、日本、アメリカという具体例が並びます。
あとは、これに従って説明すればいいのです。
国とは、ある規則基づいた地域の総称である。(概念)
その規則とは、人が生活し、法律があり、国境を備えた地域のこと。(共通点)
例えば、ドイツ、日本、アメリカなどがそれに該当する。(具体例)
まとめ
以上をまとめると、概念化の際のポイントは、
インプット(学習)するときは、ボトムアップ。アウトプット(人に伝達)の際は、アップダウン。ということです。
ちなみに、このエントリーを書きながら上記法則に気づいたわけですが、こうやって、文章にしたり、図にしてみたりすることで新たな気づきがあったりします。
それは、自分自身を洗練させることであり、悩みや迷いを克服していく作業であるとも思います。
何が言いたいかというと、こんなテクニック云々ではなくまずは”物事に向き合おう”という姿勢が何より重要な気がします。
ですので、その”心持ち”が整った時に、こちらの記事を参考にして貰えたら幸いです。
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