【ACT】創造的絶望とは?

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この記事では、第三世代におけるアクセプタンス&コミットメントセラピーで用いられる「創造的絶望」という用語について理解を深めたいと思います。

ちなみに、創造的絶望は、ACTの6つのコアカテゴリーである「体験の回避」から「アクセプタンス」への移行のためのプロセスとして用いられるものだ。それが僕の理解。

 

 

創造的絶望とは?

創造的絶望は自分の行動が、人生における理想の状態に向かうものとして機能してしないことを自覚するプロセスという表現が適切かもしれない。

 セラピーの中では、クライエントが自分がとらわれてきた戦いが不毛であるという体験の妥当性を確認し、自己の妥当性の確認から生まれる全面的に新しい可能性にオープンになっていくプロセスのことを意味している。

引用:ACTをまなぶ〜セラピストのための機能的な臨床スキル・トレーニング・マニュアル,p43

これは例えば、「社会の一員でありたい」という価値を抱いている人が「ストレスだから、電車では通勤しない」、「気分が悪いときは、何もしない」という方略を取っているとする。この様なクライエントに創造的絶望を体験してもらうために

 

「それらは、社会の一員でありたいというあなたの望みに向かえている行動ですか?」

 

の様な質問をする。それは「自分の戦いが不毛である」という「妥当性を確認する」ということになる。ゆえに、必ずしもそうとは限らないが、「創造的絶望」は、あらかじめ「価値の明確化」をしておくと機能させやすく、それは「確立操作(ルール支配行動)における、形成的オーグメンティング」を意味する。

そのことについての片鱗が、以下の論文の「創造的絶望の目的」の箇所で伺える。

創造的絶望の目的は,非機能的な方略を手放し,代替行動を試すための余地をつくることである(Flaxman et al., 2011)。特に,回避行動を断ち切ること,回避行動を助長させる社会的な言語サポート(弁別刺激,確立操作)の影響を弱めることが目的であると説明されている(Hayes & Wilson, 1994)。

(引用:Hopelessness(創造的絶望)に関する研究の展望,早稲田大学臨床心理学研究 第18巻 第1号,p88より)

表現は異なるが、「非機能的な方略を手放し」という部分が「クライエントが自分がとらわれてきた戦いが不毛であるという体験の妥当性を確認し」という部分と一致している。

また、後半部分の「特に回避行動を断ち切ること」という部分が、「体験の回避」のことで、「社会的な言語サポートの影響を弱める」ことが(確立操作)と述べられている。これはまあ、直接的には「価値の明確化」のことではないのだが、まあ関係あるところです。

このことを理解しようと思うと、話の風呂敷を広げないんといけいないのでここではやめておきます。

創造的絶望のためのメタファー&エクササイズ

とうことで、最後にその「ACTで用いられてる創造的絶望のための技法」について紹介して終わります。

  • 絶望から始めよう(創造的絶望)
  • トリートメントを受けることにした理由
  • 「穴に落ちた少女」エクササイズ
  • 中国のフィンガートラップ」メタファー
  • モンスターとの網引き(←それらしいのがありました)
  • 「腹ペコの小さなトラ」のメタファー
  • バックミラーを見ながら運転
  • 「フィードバック・スクリーチ」メタファー
  • 手に入れようとしなければ、手に入る
  • 「恋に落ちる」(コントロールの錯覚)メタファー
  • 「ゼリー・ドーナッツ」(コントロールの錯覚)メタファー
  • 嘘発見器」メタファー
  • 回し車に乗ったハムスター
  • 流砂から脱出しようと四苦八苦している人(海で溺れた時の対応に似てます)
  • 八百長のゲームをしているギャンブラー
  • ダメな投資アドバイザーの言うことを聞いて投資している人
  • 白くまの抑制実験

こうやって並べると結構、多いですね。正直これを単体でやってもその意味は実感できないと思いますが、ウィットが利いてるものが多いので、ぜひ調べてみてください。

今回は以上になりますが、僕はツイッターでも認知行動療法(ACT含む)に関する情報を発信してますので、気になった方は、↓↓ぜひフォローお願いします。

Twitterでの引用

参考書

Creative Hopelessness(創造的絶望)に関する研究の展望

②ACTをまなぶ セラピストのための機能的な臨床スキル・トレーニング・マニュアル

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