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価値の明確化とは〜ACTにおけるコアプロセスの1角〜

本エントリーでは、アクセプタンス&コミットメントセラピーの6つのコア・プロセスの一つである、「価値の明確化」について掘り下げてみたいと思います。

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価値の明確化とは

結論ですが、価値の明確化とは、「人生の方向性を定める」ということです。

ACTにおける価値の定義とは、「言語的に構築され、包括的で、望まれており、本人によって選ばれた人生の方向性」であるとされている。

(引用:ACTを学ぶ セラピストのための機能的な臨床スキル・トレーニング・マニュアル,p.257より)

では、「なぜに人生の方向性なんぞ定める必要があるのか」といえば、それが「精神の安定を保つことにつながる」からなんですね。すごくわかりやすく言うとそういうことですが、もう少し正確に描写すると以下のようなニュアンスがACTにはあります。

価値を明確化することが精神的健康につながるという根拠

すると、まあ「価値の明確化?本当に効果あんの?」と気になるところかと思いますので、以下の論文を引用させて頂きました。

すごくわかりやすく言うと「人生の方向性を意識してる人」と「人生の方向性を意識してない人」を比べると、同じようなストレスを抱えたとしても、前者は「充実してて」が、後者は「充実してない」ということです。

 価値低群では,人生における目的においてストレスを感じるほど心理的 well-being が下がるということが示された。価値高群では,人格的成長においてストレスを感じるほど心理的 well-being が上がり,自律性においては,心理的 well-being が下がるという結果が得られた。

引用:価値の明確化およびコミットメントが労働者の心理的well-beingに及ぼす影響ーストレスを抱えながら豊かな人生を切り拓けるか?ーより

だから、「価値を意識して生きる」と「幸せになるよ」というのがまたまた単純化した言い方なのですが、「幸せになろうとして幸せになった」わけではなく、「価値を意識して生きた」その結果として「なんか幸せ感じてるな」ということなんですね。

で、価値ってなに?

価値の明確化がわかったところで、じゃあ「価値ってなに?」という話になるかと思いますが、大まかなイメージを↓↓↓こちらの動画で作っていただければと思います。

ACTにおける、価値の特徴

それでは、価値のイメージができたところで、価値が有する3つの特徴を抑えておきたいと思います。

  1. 価値には終わりがない
  2. 価値は、人生のプロセス目を向けさせるもの
  3. 価値は、行動に目を向けさせるもの

価値には終わりがない~価値とゴールの違い~

繰り返しますが、価値は「人生の方向性」なので、終わりがありません

「北」や「南」はまさに終わりがありませんよね?

だから先ほどの動画で、「価値」として置き換えたのです。

価値は方向のようなものであり、価値づけはその方向に歩くことと似ている。価値はある方向をとり始めたその瞬間から存在し、終わりはない。しかしゴールは完了したり、達成したり、終わりにしたりできる。ACTでは、ゴールは価値に沿った方向性に一致するように選択されるのであり、逆の順はない。

 (引用:ACTを学ぶ セラピストのための機能的な臨床スキル・トレーニング・マニュアル,p.261より)

価値は、プロセスに目を向けさせるもの~結果と過程の違い~

 価値には、自分がやっていること(プロセス)、つまり「生きることそれ自体」に目を向けさせる特徴があり、その側面をACTでは重視してます。なぜなら、それが、結果的に「人生を充実させること」や「人生を楽しむこと」に繋がっていくからです。

 僕たちは、幼き頃から大人になったいまでも「目標至上主義」とも言わんばかりの考え方をひたすら刷り込まれます。その意味は「目的を持って、それを達成しなければならない」という考えのことです。

 目的や目標を持って、それを達成するということは、確かに大事なことかもしれません。その意味で、「何かを達成する」とか「何を成し遂げる」ということを最上位に置くと、「目標至上主義」は効果的かもしれません。しかし、「何かをし続ける」という意味では限界があります。なぜなら、目的や目標には、基本「終わりがある」からです。だからこそ、「終わりがない」という特徴を有する「価値」をACTでは重視しているのです。人生に終わりがありませんからね。

価値は、行為に注目する〜気分と行為による価値づけの違い〜

ACTで設定される価値は、気分や感情が重要視されたものを価値としては扱いません。なぜなら、そういったものは、「ある行為の結果物」に過ぎないからです。そして、「価値」には、「結果ではなく過程に目を向けさせる」という性質がありました。だからこそ、ACTでは行動てきな側面を重視したものを価値として設定するのです。

ですので、以下のような価値の記述は往々にして価値としてふさわしくないでしょう。

  • 「もっと静かに、平穏でいる」
  • 「もっと自信を持つ」
  • 「不安を感じずに、気楽でいる」

逆に、価値としてふさわしい、つまり「行為」に焦点を当てているような記述には、次のようなものがあります。

  • コミュニティに貢献する
  • 心の広いパートナーになる
  • 愛を持って、他者と関わる

あなたの価値を、明らかにするヒント

以上の「価値の特性」を踏まえて、最後は「あなたの価値」を明確にするための質問を用意しましたので、少し考えてみてください。

価値を明らかにする質問①

  1. 「あなたにとって、自分を鼓舞してくれるのは誰ですか?」
  2. 「もし、この人物があなたを本当によく知っていたら、その人はあなたがどうなって欲しいと願いますか?」

価値を明らかにする質問②〜上記の質問に答えられない場合〜

  1. 「今まさに、どんなことでも起こりうるとしたら、あなたは何を望みますか?」

あるいは、この手の質問について100日後に死ぬワニの「67日目」の話が参考になるなと思ったので、埋め込みをさせていただきます。こゆことですね。

あるいは、今だから、わかりますが、昔就活の面接で、

  • 「ドラゴンボールで願いが叶うとしたら、何を望みますか?」

という質問をされて「は?なんだその質問」と思った経験がありましたが、それはこちらの「望み」というか「欲」を捉えようとしてたんですね。当時の僕は確か「ドラゴンボールがなくなるよう願います」みたいな受け答えしたと記憶してるんですが、そこには「皆、平等であって欲しい」という「望み」が反映されてるような気がします。まあ、そんな遊び要素から価値の手がかりを探るなら、「ドラえもんがいたら、何だしてもらう?」とか考えてもういいかもしれませんね。

価値を明らかにする質問③〜傷つくことから考える〜

  1. 「あなたが、傷つくのはどんな時ですか?」

この質問をする理由は以下です。

価値を明らかにする質問④〜自分の抵抗を弱める〜

  1. 「今のあなたは、子どもの頃に自分の望んでいた自分の姿ですか?」
  2. 「子供の頃、自分の人生がどうなることを望んでた?」
  3. 「あなたのことをよく知る誰かになったとしたら、あなたは何を望んでいると思う?」

この手の質問は、価値探しに向き合うことがしんどい場合に使います。なぜなら、悩みを抱えている人というのは、理想の自分になれていないからこそ苦しいからです。つまり、価値を明確にするというのは、理想の自分を明確にするということでもあり、それによって、実際の自分とのギャップを意識することにもなるからです。

ACTにおける価値に関する介入

さて、いかがでしたでしょうか?

少しは、「価値」というものの理解が深まったでしょうか?

さらに詳しく知りたいという方のために、「ACTで用いられる価値の明確化のための介入」について紹介して終わります。

  • 墓碑のエクササイズ
  • 弔辞のエクササイズ
  • 人生の象徴
  • 人生の主要な全領域の価値を一覧にする(価値の明確化
  • これらの価値を具体化するためのゴールを一覧にする(ゴールの特定
  • これらのゴールの達成に向けた具体的な行動を一覧にする(行動の特定
  • これらの行動を起こす際のバリアを一覧にする(バリアの特定
  • クライエントに立ち上がって、厳然と価値を表明してもらう(決意表明
  • あなたが今人生で行なっていることは、あなたが価値をおくことと合致していますか?
  • 外傷的に歪められた困難
  • 遊んでみるゲームを選ぶ
  • 地平線上の一点
  • 誰にも知られないとしたら?

参考文献

①価値の明確化尺度の作成および信頼性と妥当性の検討(論文)

②価値の明確化およびコミットメントが労働者の心理的 well-being に及ぼす影響(論文)

③不安・恐れ・心配から自由になるマインドフルネス・ワークブック

④ACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)をまなぶ

⑤アクセプタンス&コミットメント・セラピー 実践ガイド

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