今回のテーマは「ランダムサンプリングとはなんぞや?」ということなのですが、その説明に入る前に、「サンプリング」について説明しておきます。
軽くね。本当に軽く。
サンプリングについて
サンプリングとは、標本抽出のことであり、研究の調査対象を選ぶために行われる手続きのことをいう。
臨床心理学の研究では、特定の個人の心理や行動に焦点を当てた事例研究が行われることがある。
一方、人間化学は、人間の反応を縦断的かつ,横断的に調査し,そこで得られたデータに基づき、普遍的ないし,一般的な反応を捉えようとする学問である。
そのため、ある研究を試みようとする際,その対象となる母集団に,調査や 実験を試みようとすることはまずない。
なぜなら,母集団が大きくなればなるほど、収集べきデータは膨大になり,必然的に,時間や労力,費用も膨れあがるからである。
そこで、母集団の一部である標本を調査することによって、標本が有する特徴から母集団の特徴へと一般化する方法を講じることになる。
その際に、適切なサンプリングが求められるが、それが、ランダムサンプリング(無作為抽出)というわけだ。
ランダムサンプリング(無作為抽出)とは
ランダムサンプリング(無作為抽出)とは、母集団のどの要素も等しく、偏りのない確率で抽出される方法を意味する。
例えば、1から6の数字が書かれたカードの中から3枚選ぶとする。これをAさんが1枚ずつ順に選定するとなると、これは無作為抽出とは言えない。
なぜなら、Aさんの主観が入るし、仮に1枚ずつ選定するとなると、1枚目のカードを選ぶ確率は、1/6だが、2枚目は1/5になるためそれ以降のカードを選ぶ確率も等しいとは言えないからである。
よって、これを無作為抽出とするためには、6面サイコロを使い一枚ずつカードを選ぶなどの方法を施す必要がある。
非確率抽出法
ただ、心理学研究では、現実問題このような確率論に基づいて抽出を行うことが困難な場合があり、そのような時は、非確率抽出法を用いることがある。
その名の通り、確率論に基づかない方法である。
その一つに、接触しやすい人を標本とする便宜的抽出法というものがあるが、たとえば、街灯で街ゆく人に手当たり次第調査を依頼する方法がこれに当たる。
しかしながら、このような非確率抽出法には、母集団を推測することについての科学的根拠は一切ない。
したがって、その限界をよく理解し、研究の目的ないし課題をよく見極め、それでも意義があると考えられる場合に、非確率抽出法を用いるのが望ましいと言える。
例えば、「専業主婦に対する態度」というテーマで街灯調査を行ったとしても、そもそも既婚か否かや、年収によってその意見は大きく頃なることが予測される。
そのため、この様な場合は、非確率抽出法を用いて結果を一般化することは不適切と言わざるを得ない。
そこで、「独身者からみた専業主婦」の様に、結果の範囲を限定するなどの措置が必要である。