こんにちは。
前回投稿した記事では「因子負荷量と共通性」の関係についてまとめておきましたが、今回はその続編ということで「因子負荷量と因子寄与」についてまとめておきます。
ちなみに、「因子負荷量」と「因子寄与」についての用語の意味がよくわからないという場合は、リンクの記事を辿って下さい。
因子負荷量と因子寄与の関係
まずは、結論から示すと、
「因子負荷量の二乗和=因子寄与」というのがその答えです。
結論だけでは全くわからないと思うので、具体例を取り上げて説明します。
以下は僕が架空のデータとして作成したもを、論文に掲載するつもりで加工したものなので、「因子負荷量」と「因子寄与」がどの値のことなのかを確認してください。
確認できたでしょうか?
では、本題にですが、「因子負荷量の2二乗和=因子寄与」ということでしたから、
まず、「因子負荷量の二乗和」について確認します。
因子負荷量の2乗和ってどういうこと?
では、先ほどの図をもう少し細かくみていくことにしますが、以下の赤枠で囲った部分は、「因子Ⅰに対する質問項目ごとの因子負荷量」です。
そして、青枠で囲ったのが、「因子Ⅰにおける質問項目4の因子負荷量(.889)」です。
そこで、この「因子Ⅰにおける質問項目4の因子負荷量」の「二乗」について考えることにします。
と言っても、シンプルに「0.889×0.889」の計算をすればいいだけの話です。
簡単でしょう?
で、その計算をすると「0.790321」という値が求められるわけですが、それが下図の赤枠で示した部分です。
つまり、「因子負荷量の2乗和」とは、「質問項目ごとの因子負荷量の2乗を算出し、それらを合算した値」というように表現し直すことができます。
青枠で囲った残りの空欄部分を同様に計算し、それらの値を縦に合計するとそれすなわち「因子寄与」ということなんですね。
因子負荷量の2乗和を求める
で、これを実際に計算すると、以下の通りです。
「3.38526」というのが、「因子Ⅰにおける因子負荷量の二乗和」のことです。
では、最初に示していたSPSSによって求められた値とて足し合わせます。
「最初に示していたSPSSによって求められた値」っていうのは何のことを言ってるのかというと、こちらですね。
「因子Ⅰの因子寄与」は、「3.39」です。
先ほど計算によって求められた値は「3.38526」でした。
つまり、これを四捨五入すると「3.39」という値と一致します!
まとめ
ということで「因子負荷量と因子寄与の関係」おわかりいただけたでしょうか?
まとめると・・・
- 「因子寄負荷量の2乗和=因子寄与」である
- 「因子負荷量の2乗和とは、質問項目ごとの因子負荷量の2乗を求め、それらを合計した値」である(※バリマックス回転に限る)
ということなんですね。
「因子寄与と共通性の関係」について理解したい方は↓↓こちら。
参考書
①誰も教えてくれなかった因子分析