こんばんは。
今日も今日とて
初学者向けに「自律訓練法」なる技法をまとめておきますよ。
「自律訓練法とは」なんて、グーグルのサーチエンジンに打ち込むクライエントなんて稀だと思いますのでね。
自律訓練法とは
自律訓練法は,精神科医のシュルツによって考案された自己暗示技法であると言われています。
そして、
この自律訓練法の”最大のウリ”は、その手続きが厳密に体系化されている点ですね
「心身安定のための心理生理学的訓練法で,一定の言語公式を心の中で反復的に唱え,その公式の内容に受動的注意集中を行って,段階的に心理生理的体制化(切換え)をはかる方法(括弧内原著)」
(引用:下山晴彦(2019),よくわかる臨床心理学,ミネルヴァ書房より)
つまり、
「自分」で「訓練(トレーニング)」できるところにあるって話です。
標準練習がその骨子
ちなみに、自律訓練法には、標準練習・特殊練習・黙想練習の三種が存在するらしいのですが、今回は、標準練習に標的を絞ってその手続きを示すことになるので悪しからず。
「標準練習は,自律訓練法の体系の最も基本となるものであり,標準練習を抜きにして自律訓練法は語れないといっても良いほど重要な練習技法と言えます」
(引用:松岡洋一・松岡素子(2003),自律訓練法,日本評論社より)
これがその理由です。
まずは、準備から
クライエントが自律訓練法を習得する上で、動機づけの観点から下準備を整えるということが大事になってきます。そこで、要点を3つに絞ってお伝えしておきましょう。
環境を整える
第一に,練習環境を整えることが挙げられます。自律訓練法の目的は,弛緩状態を生み出すことですが、集中できる環境を作らねばなりません。
そのために、静かな部屋選びや、照明や室温調整にも配慮しましょう。
要は、雰囲気作りです。
また、身なりもできるだけリラックスできるようにしておきましょう。例えば、ベルトやネクタイなんかは締め付け感ありますよね?
姿勢を学びましょう
第二に、練習姿勢を習得する必要があります。自律訓練法の練習姿勢には、単純椅子姿勢・安楽椅子姿勢・仰臥姿勢の三つがあるとされますが、もっともリラックスしやすい姿勢を選ぶのが良いでしょうね。姿勢の作り方については後ほど補足します。
消去運動
第三に,消去運動の習得でう。消去運動というのは、自律訓練の練習の終わりに必ず行われる取り組みであるため、準備の段階で習得してしまいましょう。
「自律訓練法の練習を行っているあいだは,眠りに近い状態にあるわけですから,練習が終わってそのまますぐに日常行動をしようとするのは,眠っているのをたたき起されたようなものです」
(引用:佐々木雄二(2008),1日10分で心身リラックスできる 新装版 自律訓練法,ごま書房より)
ということは、
「消去運動=そっと、起こしてあげる」ってイメージのようですね。