同志の皆さん、こんにちは。
この記事では、因子分析を実施した際に「クローンバックのα係数を算出する意味」について忘備録を残しておこうとお思います。
という方に役立つはずです。「α係数って何だっけ?」という方は過去記事をたどってください。
因子分析した時にα係数を求める意味
これはいたってシンプルで、「ただの確認」ということです。つまり、「この因子だけをみても、ちゃんと信頼性がありますよ」といことを示すだけのことなのかなと思われます。
「因子分析を行なった場合、同じ尺度(因子)内の項目とされたものは、相関がかなり高いために同じ因子に対して高い負荷量が出ているわけです。そこで、さらにクローンバックのα係数をとって高い値が出ないわけはないのです。クローンバックのα係数は、項目数が多くなれば高くなり、項目数が少なくても項目間の相関が高ければ、高くなります。もちろん、クローンバックのα係数をとることがむだというわけではありません。指標として示すことは大切だと思います。しかし、ほとんどの場合、すでに因子分析を行なった時点である程度信頼性は確保されているのであって、確認のために行う程度の意味しかないでしょう」
(引用:誰も教えてくれなかった因子分析,pp107-108より)
ということなんですね。
あとは、研究の目的によっても「α係数を求めることの意味」が変わってくるのではないかなと個人的には考えます。例えば、新しく尺度を作るということでれば、因子ごとの信頼性をだすことによって、「その因子だけでも尺度として有効ですよ」ということを示すことができるのかと。おそらく、尺度全体としてのα係数しか求めていないと思われので、まあ、やる意味は多少あるのかなと。
あるいは、先行研究で因子分析を実施していない尺度に対して因子分析をした場合にも、同様の意味はあるのかなと考えられます。特に、対象が異なる場合なら、より良いのかと。例えば、「先行研究では大学生を対象としていたけど、本研究は高齢者を対象としています」とかなら、なんか高齢者に対しても有効ですっていうことを示せるのではないでしょうか?
とは言っても、そういう場合ってそれ以前に、尺度全体でα係数出してると思うし、やっぱり、相関が高いから、1つの因子としてまとめられてると思うので、結局「確認」ってことにしかならないような気がしますよね。
ちなみに、「因子分析をした際に、α係数を記載するのは必須ですか?」という質問を以前、教授にしたことがあるのですが、「α係数を掲載しておいたがほうが、より丁寧だと思いますよ」ぐらいの返答だったので、まあ、やっぱりその程度のことなのでしょう。
なので、まあ、迷ったらやっておけっていうのが結論ですね。
こちらからは以上です。