こんにちは。
今回は少し趣向を変えて、就職活動という枠組みをテーマにして記事を書くことにしました。
このシリーズが続くか否かはさておき、このエントリーでは志望動機と自己PRの違いについて触れています。
例文も混ぜているので、1つの参考として頂ければ幸いです。
目次
結論
早速ですが、ビジネスの場では、呪文のように結論、結論うるさいので、この記事でも結論ファーストでまずは述べることにします。ただし、志望動機と自己PRの”違い”ではなく、”関係性”という目線で描写します。なぜなら、そのほうが分かり易いからです。そして、志望動機と自己PRの関係性とは、自己PRは志望動機の一部であると言えます。
志望動機とは
では、その理由を説明します。以下は、志望動機の定義をネット上から引っ張ってきたものですが、この定義に沿って話を進めますね。
志望動機とは、なぜその企業を志望しているのか、その理由です。平たく言ってしまえば、「私はあなた(御社)のここに惚れました」ということ。「なぜその企業なのか」「なぜほかではダメなのか」をきちんと説明できないと、内定までたどりつくのは難しいでしょう。それと同時に「なぜ自分を採用すれば企業にとって利益となるのか」もアピールする必要があります。引用:コトバンクより
要点のみ述べると、志望動機は、”御社に惚れた理由”と、”自分を採用することのメリット”の2つの要素によって構成されているって話です。そして、殆どの方はお気づきになられたと思います。この文章の後半部分、”自分を採用するメリット”は、つまり、”自己PR”ですね。だから、志望動機に本来自己PR的な要素は含まれていると言えるわけです。
それをベン図で表したものが以下であり、就活を”やりたいこと”、”できること”、”して欲しいこと”の3つの枠組みから考えると、志望動機とは、”やりたいこと”と”できることを”話すという事ですね。本来は。
と、言うことは、
「志望動機を教えてください」
この質問が飛んできた時の適切な回答の仕方として、
「私は◯◯の事業に関わりたく御社を志望しました。なぜなら(続く)、・・・また、その事業には、××の様な素養が必要とされ、私には××があります。なぜなら(続く)・・・」
この様な返し方が正解なはずだ。にも関わらずこの2つは、あたかも別物であるかの様に表現される。それはなぜか?
おそらく、求職者と採用側双方にとって都合がいいからだと思われる。
仮に、「志望動機は?」という質問に対し、先ほどの様に答えたとすると、話が長くなりすぎる。概要だけ伝えるに留めても結局、そこを掘り下げていくことになるだろう。であれば、いっそ、この2つを区別して話を展開する方が、話す方も聞く方も分かり易い。
というわけで、ここからは志望動機と自己PRを分けて考えていくことにする。
志望動機 〜なぜ他ではダメなのか?〜
まずは、志望動機から。
志望動機は、正に先に示した定義の通りだとが、僕の言葉で言い換えるなら、”完膚なきまでに相手を褒め上げ、悦状態に落としこむこと”だと言える。畢竟するに、志望動機は、その企業に対し唯一無二のものでなければならず、そのためには、他社との比較が必ず必要になってくる。なぜなら、比較があってこそ、その企業にしかない魅力を明確にできるからだ。
ただし、矛盾するようだが、現実的に、唯一無二というのはまず無理だと僕は思っている。というのも、この世に存在する多くのことは代替可能だからだ。ではどうすればいいのかと言うと、それを唯一無二風に聞こえる様な言い回しで相手に伝える努力が必要であり、それが僕の言う、”完膚なきまでに褒め上げる”という事に繋がるのである。
完膚なきまでに褒め上げる例
それでは、さっそく”完膚なきまでに褒め上げる”例を1つ示しておきたい。就活を”恋愛”に置き換えるというのはよく聞く話だが、プロポーズを取り上げて、結婚相手が唯一無二であるということを伝えるための文章を作ってみた。
俺はお前と結婚したい。なぜなら、お前に向上心とサービス精神があるからだ。例えば、向上心。これは次の俺のエピソードに依拠している。俺が今まで付き合った女は、ファッションと旅行にしか興味がなかったんだ。その上、旅行が好きだと言う割に、喋れるのは日本語だけだ。だけども、お前という女は、英語も中国語も流暢だし、各国の文化や風習にも精通している。だから、話していて面白いし、何より俺自身も頑張らなきゃって思えるんだ。
それだけじゃない。お前は、何よりも献身的だ。俺が付き合ってきた女は、どこか出かけるにしてもプランや料金、その他の下調べは全部こっちがやるものだと思ってる。そのくせ、雑誌を見てはここに行きたいだの要望だけは伝えくる。だから、俺は女ってのは皆そんなもんだと思ってた。お前に出会うまではさ。お前は、行きたい店や場所があるときは、時間や料金をちゃんと調べて、こっちの都合も把握した上で、予約までしてくれる。気遣いが素晴らしいんだ。だからこそ、俺もお前に尽くしてやろうって思えるんだよ。
こんないい女出会ったことねえし、この先お前以上の女には出会えねえよ。だからお前と結婚したいんだよ。
こんな感じになる。そして先ほど申し上げた通り、これはやはり、”唯一無二”ではないのである。故に、唯一無二感を出すための演出加えているのだが、それを1つずつ確認していこう。
演出のポイント① 対比を作る
これは、相手の魅力を直球で伝えるよりも、”今までの女”を比較対象として出すことで、より効果的に伝えようとしているのだ。テストで80点を取ったとしても、平均点が50点と90点のテストではその意味が変わってくるだろう?つまりはそういう事だ。
演出のポイント② できるだけ具体的に
例えば、”語学”が堪能だねというよりは、”英語”と”中国語”が堪能だよねと言う方が望ましい。あるいは、相手の気づいていないポイントを描写する方法もあるが、慎重さが必要だろう。なぜなら、的外れなことをいうと逆効果にもなりうる。
演出のポイント③ それによる恩恵(メリット)を伝える
相手の魅力が自分にどの様な利益をもたらしてくれるのかを伝える。例文で言えば、文化や風習に詳しいから話していておもしろいし、語学を身につける姿は自分の向上心にも影響を与えているのである。最終的には、この恩恵があるからこそ”お前と一緒に結婚したい”という話に繋がるのだ。
内容を唯一無二のものに近づけるコツ
最後に、内容にオリジナル性を施すコツを紹介しておきたい。それは、”経験”と”解釈”で差をつける方法だ。
人にはない経験を題材にする
例えば、僕は過去に人材サービスを展開する企業で営業をしていたのだが、その時に営業先の顧客がこんなことを言っていた。
「第二新卒は就活に失敗した人というイメージが強くて、抵抗があった。だけど、御社のサービスで採用した方が優秀で、採用方針を変えてみることにした」
これは、僕の”経験”という事実の描写であるわけだが、この様に、相手のフレーズを用いると、血の通った内容になるし、独自性の濃度が格段に上がる。
解釈で差をつける
仮に、”自分は人様に誇れる様な経験をしたことがない”という場合でも、その事実をどのように感じたか色付けの仕方は、人によって異なる。そして、その色付けの仕方は、言葉の選択やその言い回しにあらわれるのだ。
例えば、先ほどのフレーズを取り上げた場合、僕はこれを”価値観の変容”と表現するが、人によっては、”最高の恩恵”とか言ったりするかもしれない。そしてこの表現には、その人の解釈の仕方や内面が垣間見えるのだ。
具体的には、価値観が変容したのは誰かと考えると、顧客である。つまり、その言葉の主体は、”相手”にある。一方、最高の恩恵の主語は誰かと考えると、それは”自分”である。この様に、どの様に事実を表現するかによっても、その人の思考パターンが読み取れる手がかりになるうるのだ。
自己PR
続いては、自己PRに進みます。
まず自己PRの理想状態を考えると、PRが終わった後に、採用側が”この人は、我々の募集ポジションの役割とその業務内容を的確に把握しており、かつ、それを満たす能力を有している”と思ってもらうことです。
つまり、この自己PRに盛り込まれるべき内容は、
・募集ポジションに必要な能力
・その能力を自分が有していることの証明
・今回の業務でどの様に活かすのか
以上の3点であるが、
自己PRの書き方について述べる前に、その大前提について2つほど触れておく。
自己PRは適切なものを選択しているか?
これは基本中の基本。PRする能力として的外れのものを選ぶなという事である。例えば、あなたが採用担当だとして、事務職の求人に、”行動力”や”交渉力”をアピールする求職者がいたとしたらどうでしょうか?愚問ですね。
自己PRは複数用意しておく
そもそも、ある役割に対して、1つの能力があればいいということはまずありえない。なので、自己PRを1つしか用意していなくて、”自己PRをお願いします?”という質問と”弊社があなたを雇うメリットは何ですか?”という質問があった場合、後者には答えられなくなってしまう。あるいは、求人内容に合わせて使い分けできるため、活動を円滑に進めることが可能となる。
自己PRの例
以上を踏まえた上で、自己PRを書く枠組みを2つほど紹介しよう。
SPCTAR
実際この様なフレームワークがあるのかは知らないが、この様な書き方は割と推奨されている様に思う。それぞれの内容は以下の通り。
Point(結論)・・・・自分が有している能力を最初に示す。(例)私の強みは◯◯です。
Situation(状況)・・・自分が置かれていた状況や、役割、目的を示す。
Problem(問題)・・・目的を遂行する上で弊害となった出来事を示す。
Cause(原因)・・・問題の原因を示す。
Task(課題)・・・問題解決に必要なことを述べる。
Action(対策)・・・課題をクリアするための行動を述べる。
Result(結果)・・・その結果どうなったかを述べる。数字があると望ましい。
この枠組みに沿って自己PR文を作成してみたので参考にして欲しい。
私には、人一倍強い問題解決能力があります。(結論)私は現在人材会社に勤務し、既卒三年以内の方に就業機会を頂くための法人営業をしております。営業を始めた頃は、飛び込み営業のみで、目標も順当に達成しておりました。(状況)しかし、6月辺りから闇雲に飛び込んでいても、求人依頼を頂ける機会が減り、苦戦しておりました。(問題)つまり、その原因は、闇雲に行動している事にあると考え(原因)、『採用活動を行っている企業様からの依頼』に的を絞り行動をする必要があると考えました。(課題)具体的には、ハローワーク求人やWeb求人等を日々確認し、テレアポ営業を行いました。(対策)結果として、9ヶ月間で、135名分の採用枠を獲得する目標に対し、200名の採用枠を獲得致しました。(結果)以上の経験を活かし、与えられた目標を達成する事で、御社に貢献します。
まあ、内容はともかくとして、書き方としては、この様に整理する事で、自分にも相手にもわかりやすい話をすることができる。