今回は、『例える力』について紹介しようと思うのですが、日常のコミュニケーションで自分の言いたいことがうまく伝わらないこと多々あると思います。そんな時に役に立つのが”例え”なわけですが、適切な”例え”をするためには、その概念自体をまずは理解する必要があります。
”例え”とは?
「たとえとは何か?」これを明確にすることから始めましょう。辞書を調べてると、”たとえ”とは
複雑な分かりにくい内容を、比喩によって具体的なものの話に置き換えて分かりやすく説明する、短く簡潔な物語のこと。
と、このようにあります。つまり、「わかりやすくする」ここがポイントですね。混乱することがあった時はここに立ち返りましょう。
誰にとってわかりやすいのか?
すると、続けて新たな疑問がうまれます。「誰にとってわかりやすいのか?」この回答はもちろん「相手」ですが、それ以前に「自分」が先行します。なぜなら、自分が理解できていな事は人に説明できないからです。そのため、この順番をまずは理解する必要があります。相手に伝えるために、まず自分自身が理解をしなければなりません。
自分が理解できてないことは、相手に伝わらない。
この原則に従えば、次のような公式が導かれます。
たとえる力=(理解する力)+(伝える力)
なぜ”例える”とわかり易いのか?
少し例を考えてみましょう。ある地方に住む男女が東京に旅行に行く計画を立てている場面を想像してください。
「なあ、来週の旅行だけどさ、どうせ東京行くなら箱根にも行きたいんだけど」
「いいね箱根。いこいこ」
「オッケー、じゃあスケジュールに組み込んでおくな」
「ところで、箱根ってどこのへんだっけ?」
「お前知らないで言ってたの?東京から7時の方向だよ」
ここでは、伝えた対象が”箱根の方角”で、”東京から7時の方向”が例えに該当します。これは、基本誰にでも伝わると予想できます。なぜか?時計は誰もほぼ毎日欠かさず目にするからです。人によってはデジタルだけの人もいるかもしれないが、それを差し引いても、文字盤のあの時計を知らないという人はまずいないでしょう。
つまり、”方角”を”時刻”に置き換えたのは、それが誰もが”経験”をしてることであり、誰しもの”記憶”に刻まれているからです。故に、”7時の方向”と言われてわれて頭に”イメージが”思い浮んだはずです。ということは、例えとは、「経験や記憶=イメージ」であり、過去の経験やイメージに基づいてるからこそわかり易いということですね。
まとめ
ここでもう一度、基本に立ち返りましょう。なぜ例えるのか?というと、わかり易く伝えるためです。であれば、相手が複数の場合「その場にいる人間に共通の記憶や経験」に例えるべきだし、相手が1人であれば、「その人と自分に共通の記憶や経験」に例えるべきということです。そして、これらのことをを抑えているかどうか”例える力”の根幹になるというわけですね。