オチの仕組みはわかるけど、それを再現できないと感じることありませんか?その原因は、分析不足にあります。もちろん、繰り返しアウトプットをするということは大前提にありますが、適切にアウトプットするためにも分析は重要な作業です。そうは言っても、分析には多大な労力がかかるので、その代行をこの記事でしようというわけです。
目次
“オチ”をつけるとは
まずはじめに、”オチをつける”とはどういうことなのか?その標的項目を明確にする必要があります。そして、その答えは、『相手の予想を外す』ことだと言えます。そしてこのメカニズムは、基本的にボケと同様です。そして、ボケ構造については別記事を参照ください。
なので、この記事ではオチをつける”話”にフィーチャーしています。何が違うのかと問われれば、”ボケる技術”では、会話の中の”かけあい”、”やりとり”、”切り返し”に焦点を絞っている点で異なります。ただし、”オチをつける”という基盤は、当然こちらにも活かされてきますので、まずは”ボケ”を学ぶことが王道でしょう。
”オチをつける”という言葉への勘違い
さて、”オチをつける=予想を外す”という定義が明確になったところで、この”オチをつける”という言葉への勘違いをまずは紐解きたいと思います。というのも、”オチをつける”という言葉に対し、あなたはどんなイメージを思い浮かべるでしょうか?ちょっと考えて見てください。
僕の場合、”芸人”、”すべらない話”、”おもしろい”、”笑い”などのキーワードが先行します。しかし、このイメージに少し違和感を感じないでしょうか?なぜなら、”オチをつける”とは、”予想を外す”ことでした。予想外の話をした時の相手の反応は、必ずしも”笑い”になるのでしょうか?もちろんそうでない反応もあるでしょう。例えば、驚き、悲しみ、納得etc・・・の様な様々な感情を伴う反応が得られるはずです。
故に、繰り返しになりますが、”オチをつける”とは、あくまでも”予想を外すこと”であり、その話の内容や組み立てによって、相手から得られる反応は異なるのです。
身につく力とメリット
続いては、この力を学ぶことで得られる力やその結果として得られる報酬について少し触れておきます。
そもそも、あなたが”オチをつける力”を身につけたいと思ったきっかけは何でしょうか?その理由こそが、あなたにとっての報酬に繋がってます。
例えば、自分が参加したセミナーの講師が”気づきのある話をしていて感動した”、とか”退屈な会議中に先輩が披露した話が面白かった”などの様な体験があったとしよう。そうすると、そこには、”尊敬心”や”憧れ”の様な感情が付随してきたりする。この様な感情はすなわち、”ああいう話ができる様になりたい”、”あんな人になりたい”という欲求でもある。
つまり、”オチをつける力”を身につけるということは、相手にどの様な感情や反応を抱いて欲しいのか、どの様に思われたいのか?という、相手が抱く感情や自分に対する印象をコントロールする力を身につけることであり、意図した通りの反応が得られることこそ、この力を学ぶメリットになる。
話をするときの基本
この章では、実際に話をする際の留意点を2つほど述べます。第一に、自らのハードルをあげないということ。第二に、感情の波を意識する点です。
ハードルを自らあげない
オチが読まれる話し方をするなという意味です。例えば、”笑い”で落としたい時に、”おもしろい話があるんだよ”と言ったり、”感動”をオチとして持ってくる時に、”本当に泣けることがこの前あってさ”などのように導入することは、愚の骨頂である。なぜなら、それによって、笑い方面に対して予想をしながら話を聞くからである。そによって、相手の期待値が上がり驚きが軽減するからである。逆言えば、感動をオチとして持ってくる時に、「おもしろい話があってさー」というのはありだ。なぜなら、最終的にはそれを裏切ることが、オチとフリのギャップを拡大することに繋がるからである。
感情の波を意識する
なぜ感情の波を意識すべきなのかと言うと、話の聞き手にフリとオチのギャップをより大きく感じさせるためである。というのも、感情的になるということは、冷静さを失うことでもある。そして、人間というのは、感情的になることで、視野が狭くなるといった特性がある。そこで、相手に感情移入をさせる内容の方が、話に集中させることができ、かつ、余計な思考を奪うことができる。相手に思考をさせる余裕を与えると、オチをあれこれと予測されてしまい、オチが予測される様なことがあれば、相手の期待を裏切ることができなくなければ当然話がオチないわけだ。なので、可能なら、相手の感情が動かされる様なテーマを選ぶのが良いだろう。
オチの種類
この章からはいよいよ、具体的な内容に触れていくことにする。内容と言っても、各界隈から著名人のツイートやエピソードトークを収集し僕が考察したものです。
夢(妄想)オチ
代表的な例がこれ。”夢オチ”である。夢オチとは、長々と語られた物語が実は夢ないし、妄想だったという展開にしてオチをつける手法。故に、夢オチの特徴は、フリの作り込みをいかに仕上げるかが肝心で、内容や最後のオチの一文で変化をつけることができる。Twitter界隈でこれを得意としてるのはカツセさんであるが、どういうものかは以下のツイートを読んで体感してほしい。
具体例
具体例①
お花見中に「ちょっとトイレ」って立とうとしたら好きな子も「あ、わたしも行く」って立って、ほろ酔いでふたり公園歩いてたら「あのさー」「うん?」「告白しちゃダメ?」って言われて。「酔った勢いかあ」って冷静に返そうとしたら「素面じゃ言えないくらい本気で好き」って真顔で言われたことがない
— カツセマサヒコ (@katsuse_m) 2017年3月3日
・具体例②
小4の時、好きな子から電話で「どうせチョコ0でしょ、義理だけど取りに来れば?」って言われて「まぁ貰えるだけマシか」と家に行ったら向こうのお母さんがいて「あら?この子が○○(ワイの名前)君?ニヤニヤ」って言ったら彼女が顔真っ赤にして「ちょっと!やめてよママ????」ってなってた思い出が無い
— 2代目☆富嶽 (@sakayoshi_hanra) 2019年2月12日
具体例③
酔った勢いで好きな人に「何してる?」ってLINEしたら瞬時に既読が付いて、え、早い! と思ったら「今ちょうどLINEしようか迷ってたから、びっくりした…」と言われて、何かあった?って聞こうとしたら「…何してるかなあって笑」って言われて以心伝心を確信してしまうような金曜知りませんか
— カツセマサヒコ (@katsuse_m) 2016年9月2日
とまあ、これでわかってもらえたと思うのだが、とにかくフリを作り込む必要がある。その際の注意点は、2つ。1つは、話の読み手や聴き手聞き手に”実際にあった話なのだろう”と勘違いさせること。2つめは、”ワクワク”や”羨ましい”と感じさせるような感情の方向づけを意識することである。それによって、実は全部ただの妄想でしたという最後の一文を活かすことができる。
キュンオチ(良い話)
twitter界隈やバラエティ番組を観てると、感情の方向性としてポジティブな方向に話をふって、ネガティブでオトす話の作り方が多いように思う。先ほどの”夢オチ”もその部類に入る。ただ、この”キュンオチ”はその逆で、具体例も数少ないネガティブな方向にふってポジティブでオトすという話展開である。
具体例
具体例①
職場の飲み会でイッキすることになったとき、梅酒ソーダ飲もうとしてると、ある先輩に「なんやお前?!そんなジュースじゃあかんやろ!wこのウーロンハイを飲めや!」って強引に交換させられて、こいつ殺したろか…と恨みつつ死ぬ気で飲んでみたらただのウーロン茶だったときは胸キュン死しそうだった
— ぎゃぷいち????M3春う-08a (@gyapich) 2016年5月12日
具体例②
渋谷のギャルが、恋バナ中。「彼氏がさ~、携帯いつもロックしてやがんの。でも、この前やっと、解除できたんだよね!」→「マジで?!浮気とかしてた?」→「いや、携帯みてないんだよね」→「なんで?」→「暗証番号が、私の誕生日だったから♪」 なんか、感動しました。
— Yoshiki Ishikawa (@ishikun3) 2012年3月20日
この手の話が”オチのある話”として認識されてなかったり、サンプルが少ないのは、反応が”笑い”ではないからだろう。そのため、明らかに女性ウケが良さそうなコンテンツである。
怖い話ネタ
続いては、怖い話ネタを紹介する。これは、”怖いな話だ”と予想させて、ありふれた出来事をオチとして活かす手法。先ほどの2つは、オチで分類していたのに、ここで、”ネタ”という言葉を使い始めたのには理由がある。冒頭で触れた通り、この手法でコンテンツを作るとき、オチ自体にパンチがなく、勘違いを起こさせることによって、いたって普通の事柄を、オチとして演出するだけだからだ。百聞は一見に如かず、具体例を2つほど見つけたので確認して欲しい。
具体例
具体例①
タクシーの運転手が結構遅い時間におばさん乗せたそうな。時間遅いしこんな時間に一人で居るのおかしいだろと思いながら運転してて、振り返って後ろ見てみたら、そのおばさんの足がなくて「やべぇ」って思ってもう一回見てみたら正座してた
引用:yahoo知恵袋より
具体例②
出張から帰り家のドアを開けた時、イヤな感じがしたんです。やだなあ、怖いなあと思い、寒気を感じ部屋に入ると、ついてたんです。冷房が。
引用:boketeより
怖い話でフリづくりをする時は、読み手に「これは怖い話なんだな」と勘違いをさせるためのキーワードやフレーズ選びがものすごい重要になってくる。例えば、寒気、突然の物音、学校の3階のトイレ、自殺スポット、悲鳴、悪寒、山奥のトンネル、廃墟、真夜中の学校、夜の病院、夏の終わりに、雨上がりの蒸し暑い夕方、ひぐらしのなく頃に、黒髪の女、金縛り、度重なる怪奇現象、勝手に作動するテレビやエアコン、”ここ、出るんですよ”、”実体験です”などがある。
棚上げオチ
棚上げはかなりなじみのあるオチのつけ方ではないだろうか。仕組みがわかりやすく、ツイッターやTV、飲み会の場でもこれを使う人は多い。
具体例
具体例①
満員電車にて… おっさん「ちょっとJKさんパンツ見えてますよ?」 JK「えっ////すすすすすいません」 おっさん「気をつけて下さいね、世の中には怖い男の人がいっぱいいるんですから!」 とおっさんは言い残して颯爽と降りていきました。 おっさんの社会の窓は全開でしたけどね…
— 電車内がカオスwww (@Densya_Chaos_) 2019年1月26日
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