てんかん(Epilepsy)についてのまとめ記事です。
てんかんとは?
てんかんとは、てんかん発作を繰り返す、慢性的な脳の障害である。年齢、性別、人種に関係なく発症すると言われている。また、多くの場合、乳幼児期に発症するとされる。
前兆
本人だけが感じる主観的な感覚・運動等の発作現象のことを前兆と呼ぶ。小発作に続いて大発作が起こることもあり、ごく短時間の意識喪失や、わずかな痙攣のみられる欠伸えとともに、小発作に含まれる。症状や経過は、個人間では多様ながらも、個々人ではある程度パターン化されたものとされる。
大発作
突発的に、または、前兆に続いて起こる全身の惹きつけや痙攣で、意識を喪失する。
小発作
身体の一部のひきつけや痙攣で、一時的な意識障害が起こる。
てんかんの原因
てんかんが発病する原因は様々だが、原因により特発性てんかんと症候性てんかんがある。特発性てんかんは、検査しても異常が見つからず原因不明なもの。症候性てんかんは、脳に何らかの障害が起きたり、脳の一部が傷ついたことで起こるてんかん。たとえば、出生時に脳が傷ついたり、低酸素、髄膜炎、脳卒中(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血)、脳外傷、アルツハイマーなどが原因で起こる。
てんかんの診断
てんかんは発作の確認が基本で、脳波検査による所見とてんかん発作などの臨床像から行われる。具体的には、①問診による、初診時の発作症状の聴取、②身体的診察、③確定・鑑別診断のために脳波検査やMRI・CT検査などを実施する。
脳波では、計上に棘波・鋭波と呼ばれる、鋭角的な波形が記録されるのが特徴とされる。
てんかんの治療
てんかんの治療は薬物療法が主流。複数の薬を試しても発作がなくならない場合(難治てんかん)、食事療法や外科手術を検討することもある。
抗てんかん薬には、フェニトイン、フェノバルビタール、カルバマゼピンなどがあるが、ガイドラインによれば、部分てんかんの場合、カルバマゼピン(商品名:テグレトール 製薬会社:サンファーマorノバルティス)が第一選択。全般てんかんの場合バルプロ酸(商品名:セレニカ 製薬会社:興和)が第一選択とされている。
発作重積
てんかん発作がおきても通常は数分間で自然に消退します。しかし、発作が異常に長引いたり、いったん発作が終わっても意識が戻らないうちにまた繰り返す場合は、てんかん発作重積と言う。
てんかん重積状態や発作頻発を起こす原因として、てんかんの既往のある場合は、薬の急激な中断や減量、睡眠不足、過労、月経、感染症などがあげられる。
てんかん患者に特有の性格
てんかん 患者に特有の性格として、粘着性や爆発性がある。爆発性とは、感情の爆発が起こりやすいことを示す。粘着性は、爆発した感情が限りなくエスカレートし、いつまでも収まらないこと。このようなパーソナリティをてんかん性格と呼ぶが、このような性格を示さない患者もいる。