アンナ・フロイトが体系化した防衛機制につていのまとめ。
目次
防衛機制とは
防衛機制とは、不快な欲求や体験から自我を守るための様々な手段の事で、以下9項目がある。
反動形成 reaction formation
反動形成とは、抑圧した欲求や想いが言動として現れるのを防ぐために、正反対の言動を取ること。例えば、ギャンブルをしたい人がギャンブルを批判することなどがある。
投影 projection
投影とは、自分の受け入れがたい感情や考えを、他者が自分に向けている感情や考えだと捉えること。例えば、友人に敵意を持つ人が、その友人が自分に敵意を向けていると考える。
同一化 identification
同一化とは、受け入れがたい現実や叶えられなかった現実を満たすために誰かの真似をすること。例えば、エディプス・コンプレックスにおいて、母親を異性として愛することができないと知った男児は、父親に自分を重ねる。
合理化 rationalization
合理化とは、自分の行動に合理的な理由を見いだすこと。例えば、就職活動で不採用となった人が、「あの会社はブラックだ」と批判することなどがある。
知性化 intellectualization
知性化とは、不安を起こす感情を意識しないために、その感情と距離を置いて知的に判断しようとすること。例えば、余命半年を宣告された人が、不安から逃れるために病に関する知識を集める行動がある。
ちなみに、合理化と知性化は混同されやすいが、合理化が都合の良いように歪んで認知することに対し、知性化は現実を正しく認知しようとする点で異なる。
退行 regression
退行とは、過去のより未成熟な行動様式に戻ること。例えば、妹ができて両親が構ってくれなくなると、急に泣きわめく姉の行動などがある。
否認 denial
否認とは、不快な現実を拒否することで、自我を守ること。例えば、親友が事故で亡くなったと聞かされるが、その事実を認めようとしないこと。
昇華 sublimination
昇華とは、社会的に容認されない欲望を、社会的に容認される形で表出すること。例えば、性的な欲望をカラオケや運動などで発散させることがある。フロイトは、ダ・ビンチの同性愛衝動はモナ・リザとして昇華されたと解釈した。
補償 compensation
アドラーが唱えた概念。劣等感をカバーするために、他の望ましい特性を強調すること。勉強は苦手だが、人付き合いが得意。