ども、心理士のやまだです。
このエントリーでは、心療内科で働く僕が、「自閉症スペクトラムとはなにか?」ということをわかりやすくお伝えすることを目指しています。
そして、僕があなたに期待することは、「この記事を読み終えた時に、以下の3点が理解できている」状態です。
- 自閉症スペクトラムは、定義によって、捉え方が異なる
- 自閉症スペクトラムの定義には、主に2つの捉え方がある
- 自閉症スペクトラムの診断は、2つの視点からなされる
自閉症スペクトラムとは?
さっそく、1つの結論を示しておきます。
自閉症スペクトラム(autism spectrum disorder : ASD)は、小児期にその特徴が明らかとなる神経発達症の一つで、その主な特徴をWingは、社会的交流、社会的コミュニケーション、社会的イマジネーションにおける質的問題(3つの特性)と定義している」と述べている。
(引用:子供・大人の発達障害診療ハンドブックより)
つまり、このWingさんによれば、「社会的交流・社会的コミュニケーション・社会的イマジネーション」の3つの特性に不都合がある人がASDだと言ってるということですね。
一方で、医学的な診断名は、精神疾患の診断・統計マニュアル第5版という診断基準に基づいてなされるわけですが、そちらにでは次のように考えられているようです。
自閉スペクトラム症の特徴を、社会的コミュニケーションと対人的相互交流、および限局された反復行動・興味活動の2領域における障害とし、それが現在あるいは病歴中にみられた場合に診断するとしている
(引用:子供・大人の発達障害診療ハンドブックより)
Wingさんは3つの領域からASDを捉えていたのですが、診断基準では2つの領域から捉えているということです。このように、どの定義を採用するかによって捉え方が異なるということをまずは理解しておくことが大事です。
これをベン図にするとこんなイメージではないでしょうか。
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