対象関係論(object relations theory)

クラインが提唱した対象関係論についてまとめました。

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定義

対象関係論とは、生後すぐの乳児(最早期の乳児)が、内的な世界に思い浮かべる母親の表象との関係性に注目したクラインの理論。

乳児が揺れ動くポジション

乳児は妄想分裂ポジションと抑うつポジションを揺れ動く。

妄想分裂ポジション

妄想分裂ポジションでは、自分に満足を与えてくれる時は、良い乳房(母親)、満足を与えてくれない時は悪い乳房というように、母親の表象が分裂しており統合されていない状態にある。(部分対象)

良い乳房には愛情を、悪い乳房には攻撃的な感情をもつとされる。

抑うつポジション

抑うつポジションでは、良い乳房も悪い乳房も同じ母親であると理解する。部分対象が統合され、全体対象となる。攻撃的な感情を向けていた悪い乳房も、愛する母親であったことを知り、罪悪感から抑うつ的な気分に至る。

原始的防衛機制

乳児の防衛機制は未熟であるため、原始的防衛機制として、通常の防衛機制とは区別される。代表的な項目には以下のものがある。

分裂

妄想分裂ポジションで主に見られ、良い対象と悪い対象という部分対象に分けることで、対象のもつ両価的性質を避ける。

投影性同一視

分裂させた部分対象に自分の悪い部分を投影し、その悪い部分を対象が持っているかのようにふるまう。

否認

不安や苦痛に結びついた現実を否認し、目をそらして認めない。

原始的理想化

外的対象を全てよいものと見ることで、悪いものを否認する。

価値切下げ

理想化していた万能的期待が満たされない時には、直ちに価値のないものとして過小評価する。

躁的防衛

自我は、自己を脅かす悪い側面の部分と融合することで、万能感的支配を強化し、現実性を否認する。

アンナフロイトとクラインの対立

フロイトの娘であるアンナは、乳児に対する精神分析的解釈の有効性を巡ってクラインと対立している。それぞれの主張は以下の通り。

アンナの主張

アンナの主張は、男根期にエディプス・コンプレックスの葛藤を通じて、親との関係性が構築されることを踏まえ、裏を返せば、男根期以前の乳児は親との対象関係が構築されておらず、精神分析的解釈は意味をなさないというもの。

クラインの主張

一方で、クラインの主張は、男根期以前の乳児も母親との対象関係を構築する力があると考え、精神分析的解釈が可能であるとした。クラインは児童臨床の経験を通し、子供の遊びによりそって、共感的に解釈することには治癒的な価値があると報告し、児童分析の有効性を述べた。

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