人間性心理学(Humanistic Psychology)とは

人間性心理学

現代において心理療法の大枠は、”実証的心理学”、”深層心理学”、”人間性心理学”の3つに大別することができ、人間性心理学はこの中でも最も新しく台頭した領域であると言える。

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人間性心理学とは

 人間性心理学とは、生きた全体としての人間探求を志向しようとする心理学の一潮流とされ、マズローにより提唱された。マズローは、人間性心理学を行動主義、精神分析に対する第三の潮流として位置付けている。故に、行動の客観的かつ操作的な研究だけでなく、内面や関係性の了解的、現象学的アプローチを含み、病理や適応の問題を超えて積極的自己実現を目指すことが特徴。

 人間性心理学では、人間を全体として、還元的にではなく、自由意志を持った非決定論的・実存可能な存在(実存主義)として捉え、自覚ないし気づきを重視する。もっとわかりやすく言えば、人間を”心ー体ースピリット”の分かち難い一つの全体とみる。このことを踏まえ、体への注意や操作によって新たな気づきや目覚め、人間的な成長が起こりうると考えるわけだ。

人間性心理学のアプローチ

人間性心理学のキーワードは、上記の説明に太字で示しているが、”全体性”、”気づき(今、ここ)”、”実存主義”、”現象学”などの考え方が基盤となっている。そして代表的な例には、来談者中心療法フォーカシング交流分析ロゴセラピーゲシュタルト療法集団療法、心理劇、エンカウンターグループ、コミュニティアプローチetcがある。

各心理療法の詳細はリンク先にゆずるとして、ここでは、人間性心理学の根幹となっている、実存主義と現象学について少し触れておく。

実存主義

 実存主義とは、一般的な人間像に基づくのではなく、この自分自身が現に今いかに在るかに向き合いつつ、個々の人間の在り様をありのままに捉える立場のこと。

 例えば、10人に9人が合格するようなテストでも、不合格になる可能性の方に、そのテストを受ける前の人意識を注いでしまうかもしれない。このように、物事や出来事の客観的見解ではなく、その人、あなた、私にとってのそれがどのようなの意味を持つのかということが、実存主義では重要となる。

 つまり、”実存”という捉え方においては、その人が経験している感覚というのは、他の誰とも代替不可能なもので在るという考え方が重要なので在る。その意味で、”クライエントがどのように感じているのか”を重視する来談者中心療法にはこの考え方が反映されていると言える。

 それ故、実存主義の立場から人間を理解する限り、他者を、一般論や自分の経験に照らしてでは理解できないことになる。

現象学

 現象学とは、フッサールが体系化した哲学のことさす。現象学は心理学だけではなく、社会学・精神医学・看護学・保育学などの他の学問領域に大きな影響を与えている。

 哲学における現象学とは、現象の本質を探る学問であり、現象をできるだけありのままに記述することをその方法的な基盤としている。現象学的立場に立つ学問的態度とは、既存の学問や概念を通して人間を捉えようとするのではなく、生の人間あるいは生の人間とのかかわりを通して学問や概念を捉え直す試みである。つまり、先行している概念や理論に人間を当てはまめるのとは真逆のアプローチだと考えられる。

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