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心理学における行動療法とは

行動療法

現在の心理療法の主流としては、精神分析的立場、人間学派実存的立場、行動療法の3つが挙げられるが、その中で行動療法の位置付けを理解してもらい、その内容を掘りさげて行くことにする。

行動療法の位置付け

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行動療法とは?

 行動療法とは、心理的問題に対する技法として、スキナーウォルピアイゼンクらによって体系化された心理療法の1つ。

 行動療法は、問題行動を誤った学習によるもの、あるいは、適切な学習がなされなかったものとみなし、条件付けなどの学習理論を用いて、不適切な学習の消去と適切な学習の獲得を目指す心理療法である。

 行動療法における、”学習”とは、経験に基づく行動の比較的永続的な変容をさす。また、行動とは、単なる表出した行為のことではなく、生体と環境との交互作用で生じる全ての反応をさす。そのため、思考や感情など内面的な過程も含まれることがある。

行動療法とその他心理療法の違い

第一に、治療目標、つまり、何を症状とするかに関して違いがある。多くの心理療法の場合患者の人格の再統合や自我の成長を促すことをも目指す。一方で、行動療法の場合患者の示す不適応行動や、症状そのものを直接修正することを目指す。

第二に、治療技法についての考え方に違いがある。多くの心理療法の場合、それぞれの治療理論に従ってほぼ症状のいかんを問わず一定の様式をとる一方で、行動療法の場合治療目標とするものがどの様な症状なり不適応行動であるのか、どの様な成立メカニズムであるかによって、用いる技法が異なるといった特徴がある。

行動療法のプロセス

そのため、行動療法では、不適応行動の治療に入る前に、最初に行動分析というステップを踏まねばならない。治療目標として、何を取り上げるか、かつ治療目標がどの様なメカニズムによって形成されているのか、それに従って行動療法の諸技法の中からどの様な治療技法を用いて修正してゆくかを検討することが基本的かつ重要な手続きとなる。そして、この治療目標の設定から治療計画を立てる迄の一連の作業を行動療法における行動分析という。

そのう上で、不適応行動の除去や、適応行動の新たな形成が行われるのである。

行動療法の進め方

行動療法の4大モデル

行動分析により、治療目標とそのメカニズムが明らかになったら、どの行動技法を用いるかが次は重要になってくるわけだが、行動療法は、学習理論に支えられた技法であり、以下の様なモデルが存在する。

行動療法の4大モデル

進行動SR仲介理論モデル

これは、古典的条件付けに基づく技法で、古典的条件付けの理論を応用した技法である。代表的な療法家には、アイゼンクウォルピなどがいる。

系統的脱感作法

古典的条件付けの応用による代表的な技法。ウォルピによって考案されたこの技法は、弛緩状態と不安状態を同時に経験することはできないという原理に基づいており、この原理を逆制止という。例えば、閉所で恐怖を感じる人にはで閉所でリラックスすることを通して恐怖を制することができる。

具体的には、まず、全身をリラックスさせる筋弛緩法を習得する。不安を感じる場面を段階的に並べた不安階層表を作成する。そのリラックス状態と不安を感じる場面のイメージを対提示させることにより不安を逆制止していく。その際、不安の低いものから高い生物やと系統的にイメージして条件付けていく。

エクスポージャー(暴露法)

不安や恐怖を感じる刺激にさらすことで、次第にそれに慣れていく治療法。種類として、不安階層表に基づいて自覚的障害単位の低いものから段階的に実際の刺激場面に晒すものと、不安や恐怖を強く感じる場面にいきなり晒すフラッディング法がある。

ただし、フラッディング法は適用する際には、一般にクライエントの治療へのモチベーションが高いこと、カウンセラーとクライアントの間に信頼関係が形成されているなどが実施の条件とされている。暴露法は、弛緩法よりも不安場面からの回避行動を減らすことを重点とする点で異なる。

暴露反応妨害法

暴露反応妨害法は、エクスポージャー法を発展させた技法。ある刺激場面によって引き起こされる恐怖や不安を低減しようとする回避反応を、他律的に妨害し止めさせる治療技法である。一定期間回避反応を止め続けると、恐怖や不安は徐々に減るという考えに基づく

例えば、強迫観念を引き起こす刺激にさらされた時に、それに引き続いて起こる強迫行為を禁じることで、強迫観念から生じる不安に徐々に慣れさせていく手法。これを繰り返すと、強迫行為を行わなくて済むようになる。最近では、摂食障害などの治療法としても用いられる。

自律訓練法

自律訓練法は、注意集中や自己暗示によって心身をリラックスさせる。シュルツが考案した一瞬の自己催眠法。全般的な安静感をもたらす背景公式と、生理的安定についての6つの公式からなる標準練習を基本とし、必要に応じて特殊練習や黙想練習を取り入れる。

その練習を1日に2〜3回、各10分程度を行う。緊張や不安の減少、怒りや抑うつ感の減少。活気や爽快感の増加などの短期的効果と、心身の変化の気づきの増大、対人関係の安定、ストレス耐性の増大、自律神経機能の安定などの長期的効果があるとされる。

嫌悪療法

嫌悪条件付けの応用による治療技法。味覚嫌悪学習や正の罰を用いて、不適当な行動を起こすと不快感をもよおす刺激を与え、結果、その行動の生起頻度を低減あるいはしょ消去を目指す。例えばアルコール依存の状態にあるクライエントに、アルコールと共に嘔吐剤を処方したり、反社会的な行動に対して電気ショックを与えたりといった方法が用いられる。

ただし、この技法はクライアントに少なからぬの苦痛や嫌悪感を与えるため、倫理上の問題があるとされる。

応用行動分析モデル

これは、オペラント条件付けに基づく技法である。代表的な療法家にはスキナーがいる。

行動変容法

 オペラント条件付けの理論を応用した行動療法の総称。基本的な考え方は、不適応行動に消去や干渉の手続きを取り、適応的な行動に強化の手続きをとる。より適応的な目標行動を学習するためには、不適応な行動が生じやすい場面を分析した上で、目標行動が生じやすいように動機づけをし、スモールステップにわけて段階的に強化していく シェーピング の方法がとられる。

バイオフィードバック

自らの意思ではコントロールできない様々な体の状態を、視覚的にモニターすることを通して、体の反応を意図的に統制できるようにする訓練技法のこと。例えば、心拍数が一定値を超えるとランプが点滅したり、ブザーが鳴ったりする器具を使うことにより、意図的に心拍数を下げるように心身をリラックスさせる練習をする。

トークンエコノミー

 適応的な行動が生起した時に、代用貨幣であるトークンを与えることにより、その行動を強化する技法。トークンは、一定枚数集めると、好ましい物と交換されることで、正の強化子として働く。例えば、家庭内だけで適用するトークンを作り、子供が挨拶をするといった適応的な行動をした場合に、トークンを与える。トークンが10枚集まると、おかしと交換される。

タイムアウト法

 子供の問題行動を、感覚遮断によって沈静化させる訓練技法。問題行動を制止するために子供に向けられる注意は、逆に問題行動を強化し維持する場合がある。そこで、問題行動が生じたら、教育者や治療者はそれに取り合わずに、近くに用意してある小部屋であるタイムアウト室に子供を行かせて、問題行動の沈静化を図る。

社会部学習理論モデル

必ずしも直接経験したり、強化が与えられなくても、他者の行動をモデリング(観察)することで、学習が成立するいう理論に基づいた技法。代表療法家は、バンデューラ

モデリング療法

 直接経験せずともモデルとする他者の観察と模倣によって成立する学習のこと。モデルとする他者の行動が強化されたとき、その強化は観察者にとって代理強化となり、直接行動を起こしていない観察者も同様の強化が得られる。モデリング療法は、不適応行動の消去と適応的行動の獲得が同時に進むため、効率的であるとされる。

認知行動療法モデル

ものの見方、捉え方、すなわち認知を変えれば感情が変わり、感情を変えれば行動が変わるといった考えに基づく技法。代表的な療法家は、ベックエリス

認知療法

 無意図的に頭に思い浮かび、自らを否定するような考えである否定的自動思考に気づいて、それを修正していくこと目標とする心理療法。具体的には、クライエントが日々の活動記録を付け、治療者との話し合いを通して、自らの思考や感情を現実的に検討してい治していく方法をとる。うつ病や不安障害に有効とされ、ベックが提唱した。

論理情動療法(REBT)

 個人の問題を、認知的、感情的、行動的な面から多角的に捉え、積極的に介入して問題解決を図ろうとするエリスによる技法。人はある事件(A)についての信念(B)を持ち、その結果(C)から悩みを持つようになる。しかし、そのもとの非合理的な信念を粉砕(D)することで、結果(E)として、生活に必要な能力が養成できると考える。この考えは ABCDE 理論と呼ばれる。 

認知行動療法

 認知療法の技法と行動療法の技法を効果的に組み合わせて用いる心理療法の総称。物事の認知を変えることで、行動の変容を促すことを目的とする。心理療法の中でも比較的新しく発展してきた領域で、意識の存在を軽視する行動療法に対する批判から、人間の意識的な認知作用を再び重視する流れの元に生まれた。

社会的技能訓練(ソーシャルスキルトレーニング)

 生活の中で必要とされる様々な対人的行動の獲得を目的として行われる、小グループによる体験学習。リバーマンらによって体系化された。現在では、認知行動療法の一種としてとらえられている。日常の具体的場面を想定し、ロールプレイングによって会話技法や感情表現をトレーニングする。肯定的な評価や共感的な対応といった、正のフィードバックを与えるのが特徴。

アサーショントーレニング

 平木典子により導入された、他者も自分も大切にする自己表現のトレーニングのこと。具体的には、他者との合意を必要とする場面を想定し、DESC法やIメッセージなどを用いてトレーニングを行う。行動療法から派生したコミュニケーションスキルのトレーニングであり、現在では認知行動療法の一種と捉えられている。

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